【2023年3月】読み終わった本とか

 

ビジネス書

涌井良幸『統計力クイズ』

未学者の立場からしても全体的にかなり易しかった(どこかで見たことある問題が7割)が、統計的な考え方のエッセンスをインストールするには丁度良いのかも。統計と数学、いい加減にちゃんと修めねば……。

 

マイケル・フレンドリー/ハワード・ウェイナー『データ視覚化の人類史』(飯嶋貴子 訳)

実務に役立つタイプの本ではなかったけど、各データビジュアライズの発明/受容とそれが歴史をどう進めてきたかという切り口にフォーカスした内容なので、俺も身の丈+α分くらいは頑張ろうとなった。

 

マーティン・カイン/クリス・オハラ『カスタマーデータプラットフォーム デジタルビジネスを加速する顧客データ整理』(トップスタジオ 訳)

読みさしで積んでたのを読んだ。現職の業界柄、中長期的なCSR活動ってインパクトが見えづらい部分はあるんだけど、それでもどこかで整備せねばなあ。ツールはあるわけだし。

 

 

小説・フィクション

柳田国男遠野物語

遠野物語おもしれ~。この時代に生きてたらこの手の怪談めちゃくちゃ信じてるんだろうな、と思っちゃうくらいの息遣い、農務官僚やりながら出張ついでの自分の趣味でこれ書いて最終的に枢密院顧問やってるの激ヤバキャリアすぎる。

 

斜線堂有紀『君の地球が平らになりますように』

短編集。主要人物が地下ドル、ホスト狂い、陰謀論ガチ恋女…とアウトサイダーばかりで、恋愛のために常に何かしらを天秤にかけさせられている様が地獄(※)、であるがゆえに切実。面白かったなー。(※同義語:しんどみが深い)

 

三津田信三『山魔の如き嗤うもの』

シリーズ4作目かな?過去4作のなかではミステリとして一番ウェルメイドだと思う。そのぶん丁寧に読めば早い段階で真相を看破できてしまうのだけど、伝記ホラーとしての面白さも突出していて、総じてすごくエンタメ度が高い。面白かった。作者はめちゃくちゃサービスの人なのではないかと思う。

 

白井智之『名探偵のはらわた』

歴史に名を残す猟奇殺人犯たちが地獄から蘇って…という特殊設定の連作短編集、初めて読む作者だったけどキャラも論理も好きな感じ。タイトルの「はらわた」が主人公の名前(原田亘:通称はらわた)由来なのはアウトコースを攻めすぎているような気もする。

 

西村京太郎『殺しの双曲線』

まさかの未読、愛蔵版が出るということでその前に文庫で読んだ。文庫がめちゃくちゃ面白かった愛蔵版を買おうと思ったのだ。面白い、確かに面白くて一気読みしたけど、この傑作を下敷きにした後発の傑作を大量に読んだせいで若干薄味に感じたのが無念。(それを置いても「双曲線」の連絡がどうも有機的じゃないような気はする)

 

劇作家協会 編『優秀新人戯曲集 2023』

八木橋努「僕らの城」嫌な話で良かったな…。うらぶれたバーを再生しようとした新オーナーが常連の古参爺達と大揉めして誰も救われない話。戯曲って会話主体で物語を展開していく都合か、カタルシスが歪んだ話が多い気がする(偏見)。

 

その他(趣味)

パスカル『パンセ』(由木康 訳)

キリストを信仰すべき理由を滅茶苦茶合理的に諭してきて面白い。個人的にはこれからも特定の神を信仰することはないと思うのだけど、そういう生き方もなんかアリかも…と思いを巡らせてしまった。それはそれとしてパンセ氏、全体的に性格悪くて好戦的なので現代に生を受けていたらアルファツイッタラーとして花開いていたと思う。